頭痛
頭痛の場合、腫瘍や外傷などを西洋医学的にまずはっきりさせることが重要です。
突然起こった激しい頭痛、今までに経験したことのないような痛み、吐き気や目眩、
意識障害、しびれなどをともなう場合は、脳血管の重篤な障害を疑い、頭痛専門外来を
受診しなくてはなりません。検査で異常がなければ、原因は体質にあります。
繰り返す頭痛は、漢方薬によって根本から体質改善することをお勧めします。
漢方の頭痛薬は「痛み止め」ではなく、「痛みが起こらない体にする」という考え方です。
頭痛の漢方薬は、ストレス、イライラ、不安、冷え、のぼせ、むくみ、不眠、生理不順など、
頭痛のほかに伴う症状や心のもんだいがある場合は、特に有効です。
●冷えが根本にある頭痛
特徴
冷え症で、冷えると頭痛がひどくなり、吐き気、胃もたれ、胸焼けがある。
首や肩のこりを伴うことも。
方針
内蔵を温めて、気のめぐりをよくします。
胃の症状をやわらげて、吐き気を治めます。
適した漢方薬
呉茱萸湯(ごしゅゆとう)
当帰四逆加呉茱萸湯(とうきしぎゃくかごしゅゆとう)
●気が上昇して起こる頭痛
特徴
血圧が高い、顔色は赤い、イライラして怒りっぽい、ストレスがある。
早朝に目覚める、早朝に頭痛がある、鈍重な感じの痛み、吐き気、めまい。
便秘、肩こり、抑うつ感、不眠、目の疲れなどを伴うことも。
方針
怒りとストレスコントロールの蔵である「肝」の気を下げます。
胃腸の働きを整えて吐き気を抑え、熱を取ります。
適した漢方薬
釣藤散(ちょうとうさん)
●水分が停滞しておこる頭痛
特徴
重い、だるい、疲れる。めまいや食欲不振を伴うことも。
むくむ、尿量が少ない、口が渇くなど、水分代謝が不順になっています。
方針
滞った「水(すい)」のめぐりをよくし、余分なものを排出します。
適した漢方薬
五苓散(ごれいさん)
苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)