不安神経症
心と体を表裏一体と考える東洋医学では、精神・神経関連の疾患には多くの漢方薬の適応が
あります。
西洋薬の抗不安薬には、倦怠感、意欲低下などの副作用や、離脱症状などがあることから、
漢方薬による穏やかな作用が期待されます。また、神経科・精神科において病名が
つかなかったものの、本人の自覚症状として苦痛があれば、ここに挙げられる漢方薬が
有効なこともあります。
●イライラ・焦燥・不満感あり
特徴
イライラ、不眠、頭痛、肩こり、便秘など、全般的な不調がさまざまみられます。
生理不順や生理痛を伴ったり、女性の更年期にもよくみられます。
方針
ストレスコントロールの器官である「肝」と「気」を調節します。
「血(けつ)」を補い、熱性の体質を和らげます。
適した漢方薬
加味逍遥散(かみしょうようさん)
抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)
●抑鬱傾向あり
特徴
不安、心配、不眠、憂鬱感などが主。
まじめで几帳面、 用意周到で自分を責める傾向がある方が当てはまります。
方針
「気」のめぐりの改善を主とします。
適した漢方薬
香蘇散(こうそさん)
半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)←「喉の詰まり感」を伴う場合の常用薬です
●虚弱で冷え症あり
特徴
体力が弱く、冷え性で、貧血、神経過敏傾向がある。
方針
体を温め「気」をめぐらせると共に、「血(けつ)」を補います。
適した漢方薬
柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)