眠れない
入眠困難(なかなか眠れない)、熟眠障害(目覚めやすい、眠りが浅い、眠った気がしない)、
早朝覚醒(目覚めてしまい眠れない)など、いろいろな不眠があります。
不眠の方は、他の体調も不良なケースが非常に多いです。
東洋医学では、不眠症状は「失眠」と呼ばれ、古来たくさんの処方があります。
いずれも睡眠を妨げる原因を改善し、「眠れる体」にしていくという考え方です。
漢方でトータルの体調を整え、「全身が健康であれば、正常に睡眠ができるのだ」ということを、
お感じになっていただきたいと思います。
●熱性の症状が強い不眠
特徴
寝つけない、イライラする、口が渇く、顔が赤い、尿の色が濃い。
めまい、吐き気、頭痛、耳鳴り、食欲不振、便秘などを伴うことも。
方針
熱性の症状を取り除きます。
適した漢方薬
黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
温胆湯(うんたんとう)
竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)
●体が弱って熟睡できない不眠
特徴
熟睡感がない、夢見が多い、めまいがする、ドキドキする、驚きやすい。
顔色が白っぽくツヤがないことが多いです。汗が出る、疲れやすいことも。
方針
体力の源である「気」と、精神と眠りを司る「血(けつ)」を補います。
心を落ち着け安らげる生薬を配合します。
適した漢方薬
帰脾湯(きひとう)
酸棗仁湯(さんそうにんとう)
●老化にともなう早朝覚醒
特徴
腰や膝が弱く、足のほてりまたは冷えがある、排尿困難や頻尿がみられる。
高齢の方、体力の弱った方にみられます。
方針
老化を司る「腎」を補います。
適した漢方薬
六味地黄丸(ろくみじおうがん)
八味地黄丸(はちみじおうがん)