便秘
ストレスが多く不規則な食生活になりがちの現代日本、便秘にお悩みの方は本当に増えています。
西洋医学的な便秘薬は、即効性はあっても「飲まないとまた便秘する」対症療法的なもの、
自然なお通じを誘発するというよりは力技で排出させるものがあり、
自然な排便習慣を望んでいる方には満足できないものもあるようです。といって、
食生活の改善や運動だけでは、がんこな慢性便秘はなかなか解消されないのも事実です。
東洋医学では、便通という現象を詳細に分析し、その現象のどの部分が阻害されているか
(=真の原因)を考え、その原因に対しての改善を行います。
多くは自然な「排出する力」を高めることで便秘を解決します。
また、便秘単体を解決するだけでなく、便秘と表裏一体の諸症状―肌荒れ、イライラ、生理不順、
肩こり、冷え性、憂鬱などがともに解決されることも漢方薬の特徴です。
●熱で便が秘結した(乾いて固まった)便秘
特徴
口が渇いて、腹が張る。腹痛、口臭、げっぷがあることも。
体格は比較的がっしりしていて、体力がある。
方針
強い瀉下(しゃげ=下痢)作用と冷やす作用のある大黄(ダイオウ)で便を排出します。
適した漢方薬
大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)
大承気湯(だいじょうきとう)
●気がめぐらず腸の動きが悪い便秘
特徴
肩こり、高血圧、不眠、生理不順などが伴う。
イライラやうつなど、精神状態を伴うことが多いです。
方針
気をめぐらせて、腸の蠕動運動を促進します。
全身のバランスを回復させることで結果的に症状を改善する典型です。
適した漢方薬
大柴胡湯(だいさいことう)
調胃承気湯(ちょういじょうきとう)
●血(けつ)が不足した便秘
特徴
虚弱者、老人、大病後、産後など、体力が弱っている。
ウサギの糞のように水分がなくコロコロした便。皮膚の潤いも不足しがち。
方針
血(けつ)と水(すい)を補います。
油分を含んだ生薬で、腸の内液を順滑にします。
適した漢方薬
麻子仁丸(ましにんがん)
潤腸湯(じゅんちょうとう)